DJI最新ドローンPhantom 4 RTK(P4R) 発売!Phantom 4 Pro V2.0との違いや、産業用機種として注目するべき6つの機能などを紹介します。

2018年10月16日、DJIから新型ドローン「Phantom 4 RTK(以下P4R)」が発表されました。

これまでPhantomシリーズはナンバリングモデルからProを冠するモデルなど、中級機として幅広く展開されてきました。一般人やアマチュアユーザーが買えるミドルシップとしては最高クラスのドローンといえます。

これまでPhantom 4 Pro V2.0(以下P4P2)が最新モデルでしたが、今回RTKというモデルが発表されたことでさらにPhantomシリーズのすみ分けが広がると予想されています。

今回は前作との違いやRTKの解説、新機能によってどのようなシーン、ひいてはどのような産業などにも応用できるか紹介していきたいと思います。

 

そもそもRTKとは?

RealTime Kinematickの略です。衛星から受け取る位置情報の誤差を修正するための基準点を設けることにより、フライトコントロールを数センチの精度まで上げることができます。

RTKについては過去の記事で解説しています。

ドローンのコントロール制度を数センチ飛躍的に上げるRTKシステムとは?

2018.10.20

本来のRTKでは基準点となるモジュールを三脚などで設置しますが、P4RのRTKモジュールは本体に搭載されています。そのためコンパクトな運用で様々な測定が可能となっているようです。

 

Phantom 4 Pro V2.0とスペックの違い

DJIの製品をよくご存じの方は「本体スペックはPhantom 4 Pro V2.0(P4P2)とどう違うの?」と思われるかもしれません。

P4Rには従来のPhantomにはない新機能が搭載されていますので、一概に比較できない部分もありますが、結論から言いますとほぼ変わらないみたいです。

公称スペックによると微妙に違いはあるので以下にまとめました。

 

静止画撮影・・・【P4P2】DNG可⇔【P4R】jpegのみでDNG不可

最大速度・・・【P4P2】72km/h⇔【P4R】58km/h

動画最大解像度・・・【P4P2】C4K:4096×2160 60p/4K:3840×2160 60p/2.7:2688×1512 60p/FHD:1920×1080 120p⇔【P4R】4K:3840×2160 30pのみ

動画フォーマット・・・【P4P2】MP4/MOV⇔【P4R】MOVのみ

インテリジェントフライトバッテリーの容量・・・【P4P2】5870mAh→【P4R】4920mAh(17%減)

 

 

全体的にP4P2よりもP4Rの方がスペックを抑えられているみたいです。

もっとも考慮するポイントは動画最大解像度の部分だと思います。P4Rは4K30pしか撮れない事から、映像を撮る目的にはあまり向いていないようです。

静止画解像度はいずれも5472 × 3648と高解像度です。したがって本機はRTKのシステムで安定して飛行しながら、1枚ずつ静止画を撮影する地形測量などに向いていると考えられます。

 

P4Rの特徴的な機能

RTKを搭載した精密測定の運用ができる本機には、特徴的な6つの機能やシステムがあるそうです。

以下に順に紹介したいと思います。

 

RTKモジュールの搭載

通常のRTK非搭載のドローンの場合、飛行前には基準点となるモジュール(GCP)を地上に設置する必要があり、準備に時間かかってしまいます。

P4Rの場合RTKモジュールは本体に直接搭載されているので、MatriceなどのようにRTKモジュールを地上に増設することなく測位データの精度が上げることができます。

GNSSモジュールも搭載されているので、都市部の信号が弱い場所でも飛行安定性が維持されるそうです。

 

1インチCMOSセンサー

5472 × 3648の高解像度センサーにより、従来のPhantomと比べて対象物をより正確に撮影することができます。

また、メカニカルシャッターの搭載によりローリングシャッター現象による歪みを生じさせることなく、移動しながら撮影することができます。それによってシャッターを切る際にいちいち静止しなくても良くなったので、飛行の単純化やシームレスなデータ取得を行うことができ、作業時間を短縮できます。

ローリングシャッター現象についてはこちら

DJI Phantom 4 Proが採用したメカニカルシャッターとは何かを徹底解説

2018.10.10

 

したがって地上画像寸法(GSD)は高度36mで1cmを達成しています。レンズの歪みパラメータも各画像データに保存されるため(XMPファイルのOPEN-CV)、ソフトウェアによる後処理で独自に歪みを補正できるそうです。

P4Pとレンズ径が同じなので、NDフィルターは同じものを使用できるそうです。

 

GS RTKアプリ

従来の飛行モードに加えて、写真測量とウェイポイント飛行の2つのプランモードを搭載した専用のアプリケーションがGS RTKです。モニタリングでメインとなるアプリケーションになります。

フライトプランの設定では、オーバーラップ率/高度/飛行速度/カメラパラメーターなどを調整しながらドローンの飛行経路を選択し、自動マッピングや調査のワークフローを設定することができます。

ほかにもKMLファイル(3D地理空間情報)をロードして事前のプランニングに役立てたり、全ての写真で露出を一定に保つ新しいシャッター優先モード、そして、悪天候をパイロットに警告する強風アラームを実装しています。

 

TimeSync

 

撮影された写真に対して位置や高度などの測位データと共に、工場出荷時にキャリブレーションされたレンズのパラメータもEXIFやXMPとして付与できます。

一般的な空撮測量では、GNSSから求められた座標点を1枚の写真の中心点として撮影します。

TimeSyncにより測位データをカメラのCMOSセンサーと同期させることができ、常に中心を認識しながらより正確な測量が可能となります。

フライトコントローラーができるだけ安定して飛ぶように制御するための、RTKモジュールと合わせたフライトサポートの一種だと考えられます。

 

OcuSync

パイロットとの伝送システムの事です。より安定した接続や高い耐干渉性を備えたこの伝送システムは、720p動画伝送を最大伝送距離7km(日本国内では5km)で実現していて、広域の測量に適しています。

 

 

D-RTK 2モバイルステーション

従来のRTKシステムで利用されていた自立型の基準点がD-RTKでその2型です。

上位機種のMatriceシリーズもこのモジュールでRTK運用をしていますが、P4Rとの互換性もあるので搭載されているRTKモジュールと組み合わせればさらに安定した制御が可能になります。

リアルタイム差分データをOcuSyncの安定した通信によって本機に転送できるので、厳しい条件下でも正確な測量ができるようになるのではないでしょうか。

 

価格

産業用ドローンと同じ位置づけとしてラインナップされているので、一般には公表されていません。

正規代理店より随時アナウンスがあるそうなので、情報をチェックしておきましょう。(P4Pが20万円ほどですので参考になると思います)

 

ターゲット・応用できそうな産業

DJIのホームページを見る限りでも、商品ラインナップには産業用のジャンルとして掲載されています。DJIの担当者によると「Phantom 4 RTKはドローンを測量やマッピング、測量調査などの業務で使用するユーザーの要求に満たすよう、マッピングや測量業界からのフィードバックをいただき、設計しました。」とコメントされていることから、まさに測量専用機と言っても過言ではないでしょう。キャッチコピーも”Next Gen Mapping Solution”と言っていますし。

実際の活用例としては、欧州の大手建設企業で輸送インフラストラクチャー事業者と連携しているそうです。2010年から複数の地図作成プロジェクトにドローン技術を活用しているそうで、P4Rも導入することで3Dモデリング向けの空撮データの強みを生かし、コストの削減だけでなく操作効率性も向上させています。

ドローン測定の導入により高いコスト削減率を達成できていることが、同社で高く評価されています。

 

これまでのDJIのラインナップでは、フルシステムでは数百万円を超えるMatriceやInspireなどの高額クラスか、単なるプライベート収録の延長にあった安価なPhantomシリーズしか無かったので、産業用の選択肢が中途半端だったといえます。

今回P4Rが登場することによって、産業用クラスでは最下位ではあるもののPhantomベースであることで価格設定にはかなり期待が持てます。重いペイロードを必要としない空撮用途の測量が、さらに安価でコンパクトに運用できることが予想されるので、このように地図を作製する分野の事業者やユーザーには強く支持されるはずです。

これを機に測量事業者をはじめ、保守点検などの定期飛行・精密飛行が必要なユーザーに対して、広くドローンを運用されることに強く期待したいです。

 

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