ドローンのコントロール制度を数センチ飛躍的に上げるRTKシステムとは?

大空を自由に飛び回る事ができるドローンですが、ラジコンと違ってその姿勢制御の根幹をなす機能にフライトコントローラーと呼ばれるものがあります。

フライトコントローラーでは、ドローン本体に搭載されている様々なセンサーからの情報をまとめて、自律制御のために利用しています。

操縦者の「ここから真上に飛ばしたい」という指令に対して、左右にふらつかずに正しく真上に飛翔できるのは、上昇時に発生する様々な方向からの影響を、フライトコントローラーの機能によって相殺しているからなのです。

フライトコントローラーに関わるセンサー

制御に関わるセンサーには以下のようなものがあります。

フライトコントローラーに関わるセンサー

  • 加速度センサー/重力加速度の感知によって上下左右・速度などを検出できます。
  • ジャイロセンサー/3軸の回転を検出することで、命令通りに制御できるようにモーターの回転数を調整しています。
  • 方位センサー/方位磁石です。地磁気センサーともいいます。
  • 赤外線センサー/赤外線が物体にあたり、反射が帰ってくるまでの時間で制御する、対物センサーです。
  • GPS/衛星から電波が届くまでの時間から計算して、自身の位置を検知しています。

ここまでセンサーに頼っていればしっかり飛んでくれるだろうと思っていても、現状ではまだまだドローン制御には課題が残されています。
特にGPS単体を利用した制御の制度は、現状誤差が2メートル前後といわれているなかで、産業用途のインフラ検査などで予想される「高度〇〇メートルを維持しながら水平移動で撮影」といった精密なオペレーションには対応できない可能性があります。

そこで昨今話題となっているのが「RTK:リアルタイム・キネマティック」という仕組みの衛星サポートシステムです。

GPSのおさらい

そもそもGPS:全地球測位システムとはGlobal Positioning Systemの略称で、“アメリカ”が打ち上げた衛星の名称を指します。近年では各国が衛星の打ち上げを行っていて、主にロシア、EU、中国に、それぞれGPSに準じる名称の衛星があります。

各地域の衛星の名称
アメリカ:GPS/全地球測位システム
ロシア:GLONASS/グロナス
EU:Galileo/ガリレオ
中国:北斗

そしてこれらの衛星システムは総称で「GNSS:Global Navigation Satellite System」と呼ばれています。
(したがって「中国のGPS」という言葉は成り立たないのでよく覚えておきましょう。)

所在する国や仕様機器によっては、適した国の衛星電波を受信する必要があるので、単に衛星電波のことを”GPS”だと勘違いしていると予期せぬ間違いが起こる恐れもあります。
GNSSや衛星の違いはしっかり押さえておきましょう。

RTKとは

GNSSの電波を利用した現在地測定の仕組みは、衛星と地上の機器がお互いに電波を送受信する時間で距離を計算していますが、そもそも送受信する衛星の数や時刻補正のズレ、大気の影響によってさまざまな誤差が生じます。

そこでこの欠点を補うために開発されたのが「RTK/リアルタイム・キネマティック」という仕組みです。

GNSSとドローン間の通信に加えて、経度と緯度が設定された絶対位置とする基準局を立てておき、こちらも衛星と通信させることで衛星との誤差を検出します。

常に移動を続けているドローンは衛星との誤差を正確に検出しにくいですが、基準局から送られてくる情報を頼りにすることで、現在地の割り出しがより正確に処理できるとのことです。

RTKの基準局によるサポートがあれば、現在位置の割り出し誤差が数センチにまでとどまることができるそうです。

必要機材

DJIのMatrice200/600シリーズでは、このRTKシステムを使って高精度なフライトを可能にしています。
オプションのDatalink Proの基準局を用いることでRTKの仕組みを利用することが可能です。

画像で見てもわかるようにドローン本体には円盤状のアンテナが二つ装備されてあります。これで基準局からの情報をキャッチします。

 

Datalinkの商品はRTK-GとRTK-Bがあり、どちらもGPSに加えてもう一つ衛星を利用する二重の通信モジュールを装備しています。
RTK-GはアメリカのGPSとロシアのGLONASS、RTK-BはアメリカのGPSと中国のBeiDouを採用しており、日本で使用する場合はRTK-Bのほうが高精度だと言われています。

ただしDatalinkはフルパッケージで購入すれば50万円は超える代物なので、おいそれと手は出せませんので主には産業用途だと思います。
今後実用化のめどが立てば需要も増えることが予想され、低価格化の可能性もあるでしょう。

DJIのアプリケーションにはポイント・オブ・インタレストなど自動操縦系のプログラムも可能なので、指定する場所の精度が高いほどRTKシステムの恩恵も高いといえそうです。
今後技術の進歩やユーザーが増えることによって、RTKがもっと一般的に広まり、思い通りのフライトができる時代になればとても面白そうですね。

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