ライトやスピーカーが搭載できるMavic 2 Enterpriseによって災害・レスキュー活動の現場が変わるかも

DJIからMavicの新型 Mavic 2 Enterpriseが発売されました。

従来から受け継がれるコンパクトなボディには、多数の障害物センサーや運用状況に応じた専用のアクセサリーを搭載できるそうです。

産業利用だけでなく、災害現場や緊急事態への対応も視野に入れた設計のようですが、その気になる機能性を紹介したいと思います。

 

Mavic 2 Enterpriseのスペック一覧

小型で運用しやすいというMavicの設計もとに、Mavic 2 Pro(M2P)とMavic 2 Zoom(M2Z)の二つの機種から受け継いだ機能はそのままに、新たなコンセプトを担うためのチューニングも追加されました。

折り畳みのコンパクトデザインで緊急時の持ち運びや、素早いセッティングによって時間が切迫する状況にも柔軟な対応が可能となりそうです。

従来機との違いと照らし合わせて解説したいと思います。

 

カメラ

Mavic 2 Enterprise(M2E)の注目すべき点に、カメラがズームできるという機能があります。これはMavic 2 Zoomのカメラとほぼ同じスペックでした。既にこの機種が開発された段階でM2Eへと流用される見通しがあったのかもしれませんね。

焦点距離が24mmと広角レンズを活かすことで、広い視野で調査が行えるような設計になっていると思われます。

また光学ズーム2倍に加えて、デジタルズーム3倍が可能となったので実質6倍ズームです。被写体に接近できない状況でも確実に目視できることが期待できます。

Mavic 2 ZoomとMavic 2 Proとのカメラ違い【ちなみに】

センサーサイズ→M2Z:1/2.3インチCMOS 1200万画素/M2P:1インチCMOS 2000万画素(センサーが大きい/高画質)

レンズ→M2Z:24mm~48mm(光学2倍ズーム)/M2P:28mm(ハッセルブラッド画質良し)

絞り範囲→M2Z:F2.8~F3.8/M2P:F2.8~F11(より深く絞れる)

動画撮影時ISO感度→M2Z:100~3200/M2P:100~6400(ノイズは増えるがより明るく撮れる)

写真撮影時の最大連写数/s→M2Z:7枚(Zoomの方が多い)/M2P:5枚

その他→M2PはDlog-M (10bit)、HDR動画対応 (HLG 10bit)

ズーム性以外なら概ねMavic 2 Proの方がカメラ性能は高いといえる

 

10種の障害物センサー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安全飛行が簡単にできるようにDJIは高度操縦支援システム/APASという機能を開発しました。

8個の高解像度ビジョンセンサーと、2個の赤外線センサーで、より安全な飛行を実現する全方向障害物検知を備えています。

機体の前後にある障害物を回避しながら、簡単に前方または後方へと飛行できます。飛行中、APAS (高度操縦支援システム)は障害物を避けるための適切な飛行経路を自動で計画します。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらもMavic 2シリーズでは標準装備なので、流用された機能ですね。

 

3つの追加デバイス

従来のMavic 2と区別される機能がこちらにあります。

災害・救助活動において空からの遠隔操作という新しいアプローチを可能にするのが、以下に紹介する3つのオプションです。「DJI PILOT」というアプリで操作可能です。

M2E スポットライト

輝度2,400ルーメンのデュアルスポットライトです。一般的な懐中電灯の基準の2倍は明るいそうです。

角度は遠隔ではなく手動で変更しなければなりませんが、アプリから明るさの設定とON・OFFのスイッチングも可能です。

暗闇下でも十分明るく照らすことができ、5m前後先の被写体を照らしながらカメラのズームでしっかり確認できるレベルであり、多様なケースで活用が期待されています。

スポットライトは、人命救助や点検業務において無くてはならないツールですが、ドローンに搭載できるという今までありそうでなかった新発想です。

M2E スピーカー

大出力音量100デシベル(距離1m)の拡声スピーカーで、ユーザーは最大10種類の録音したカスタム音声を最大60秒連続再生・リピート再生が可能です。人命救助などの緊急時に周辺付近への重要なコミュニケーション手段になります。

録音してからすぐに再生というようなクイック再生機能も搭載されており、よりリアルタイムの対応が求められる現場での活用が期待されます。

例えば音声発信を利用した負傷者の意識確認などは、現場オペレーションの重要な判断材料になるので、このスピーカーの恩恵は非常に大きなものとなります。日常での拡声器としても使えそうですね。

マイクを介した無線通信ができるようになるとさらに便利になると思います。

M2E ビーコン

周囲に自分の位置を知らせるために断続的に発光するストロボのことです。飛行機のお腹でチカチカ光っているあれと同じです。

米国連邦航空局(FAA)の夜間適用免除基準を満たすM2Eビーコン(白色閃光等)は、最大で3マイル先(約5km)からでも目視可能な明るいストロボライトを搭載しています。

操縦者は、低照度環境下や夜間であっても、より安全に業務を遂行でき、また近くを飛行するドローンや航空機に対しても注意喚起します。

 

スポットライトやビーコンがあるという事は、夜間作業でのサポートとして期待できそうですね。(夜間飛行はルールを守って行いましょう)

公式ムービーに実際に想定される救助現場のシーンが収録されていますが、M2Eのサポートは非常に革新的だと感じました。

 

機動性

従来のMavic 2と同等ですが、約31分の最大飛行時間と 72km/hの最大速度を発揮できます。

静かに効率的に飛行できるプロペラがウリだそう。

 

パスワード保護

収録したデータにはパスワードをかけることもできます。パスワード入力が必要なタイミングは、ドローンの起動時・送信機とドローンの接続時・内臓ストレージへのアクセスの際です。

万が一期待をロストしてしまったり、回収できない状況に陥ってしまうと、重要なデータを第三者に盗られてしまう可能性があるため、

クライアントやセキュリティレベルに応じてパスワードをかけることができるのは安心ポイントです。

 

タイムスタンプ

新しく搭載したGPSタイムスタンプ機能は、録画映像ごとに時間と位置情報を記録するので、 操縦者の報告義務をサポートするとともに、ドローンで撮影したデータの信頼性を向上させ、重要なインフラ点検業務や合法的な治安維持に活用することができます。

 

自己発熱/バッテリー保温

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新しく開発されたMavic 2 Enterprise専用の自己発熱型バッテリーで、-10度の厳しい低温環境であっても、ドローンは確実に性能を発揮します。

 

Airsense

 

 

 

 

 

 

 

 

Mavic 2 Enterpriseは、操縦者の状況認識を強化し、空域の安全性を高めるDJIのAirSense技術を搭載しています。

AirSenseは、機体と一体型のADS-B信号の受信機を使用して、近くにいる航空機やヘリコプターの情報を操縦者に自動で警告し、「DJI PILOT」アプリから位置警告をリアルタイムで表示します。

これにより、過密した空域や複雑なオペレーション(山火事の鎮圧や災害復旧、インフラ設備監視など)で飛行しているオペレーターに更なる安全性を提供します。DJI AirSenseは、ドローンの空中での安全性を維持するための重要なシステムです。

 

内蔵データストレージ

24GBの内蔵データストレージを搭載しており、SDカードを使えない状況でも収録が可能です。

最高画質100bps(約12MB/s)で収録する場合、飛行時間いっぱいの約30分収録し続けるとなると、約21GB以上のSDカードが必要ですが、

この内蔵ストレージの24GBはその状況を見越した容量になっていると考えられます。

 

ディスクリートモード

飛行中に本体から発光しているすべてのLEDを消灯する機能です。特に夜間の飛行など、目立たず実行する必要のあるミッションでは、すべてのLEDをオフに切り替えて作業を行えます。

(※夜間飛行については、国土交通省が定める飛行ルールを遵守してください。)

 

運用されそうなケース

先ほどの動画のように、救助隊がすぐには立ち入れないエリアに負傷者がいる場合、アクセス経路を検討している間にもドローンが率先して負傷者の容体を確認することができます。

またズーム性を活かした災害現場での捜索活動、収集したデータを活用した治安目的の警察活動、高所にある携帯電話基地局や橋梁検査にも小さなボディのM2Eなら容易にアプローチできます。

 

今回のMavic 2 Enterpriseがこれらの拡張機能を備えるようになったことで、ドローンは映像ツールとしての役割を越えてきたように感じます。

今後もさらに進化していく中で、様々な状況に応じてカスタマイズできるプラットフォームとして、空の生産性向上への一つのスタイルを提案しているのではないでしょうか。

 

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